銀行カードローンは総量規制の対象外として債務者が増加

銀行カードローンと総量規制

消費者が融資の借り入れをする場合、銀行などの金融機関か、消費者金融会社・信販会社・クレジットカード会社等のノンバンクを利用することになります。

ノンバンクは貸金業法によって規制されている貸金業者になりますが、年収の1/3までの貸付制限がある総量規制を受けています。

しかし総量規制は貸金業者を対象としているため、銀行カードローンは総量規制の対象外となるのです。

そのため最近では消費者金融の代わりに銀行のカードローンによって借り入れをしている方が増加しました。

はたして銀行カードローンは今後も規制なしに借り入れできるのでしょうか?

銀行カードローンと改正貸金業法による総量規制について解説しましょう。

銀行法と貸金業法

銀行法と貸金業法

銀行は銀行法、ノンバンクは貸金業法の規制を受けているので、貸金業法の総量規制は当然のことですが銀行融資には適用されません。

2010年6月に施行された総量規制は貸金業法の規制の中でも、一人に対する貸付金額を年収の1/3に制限することを言います。

年収の1/3の対象となる融資金額は申込した金融会社だけでなく、他社で借入した融資残高やカードローン利用枠すべてを含みます。

さらにカードローンの場合は残高がゼロでもカードローンの利用枠を残高とみなします。

年収300万円の人であれば、他社の残高やカードローン枠が合計で100万円あると、新規の融資申込ができなくなるしくみです。

一方で銀行法には総量規制がないので、銀行カードローンには年収による貸付制限がありません。

そのためこれまでの消費者金融から借り入れが銀行カードローンに移行することになったのです。

したがって総量規制によって貸付の制限となる年収の3分の1を超える部分を銀行カードローンで補うことになりました。

これでは総量規制による貸付金額の制限を設けた意味はないといえるでしょう。

法律的には銀行カードローンには総量規制がありませんが、2016年9月に日本弁護士連合会が金融庁に対して行なった「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」の提出によって事情が変わっています。

銀行の自主規制

銀行による自主規制

日弁連が提出した意見書では銀行カードローンも貸金業者と同様に年収の1/3に貸付を制限することを促しています。

2017年12月現在では、この意見書の内容のようには法律は改正されてはいませんが、銀行側が自主規制を開始して金融庁も実態把握のために立入検査を実施しています。

金融庁の立ち入り調査は2017年9月から開始していますが、その前にすでに2017年4月から銀行では自主規制を行ない貸金業法の総量規制に準じた貸付を実施しています。

この銀行による自主規制の動きは最初はメガバンクとなる

  • 三菱東京UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行

だけでしたが自主規制は徐々に地方銀行や信用金庫などにも広がっています。

しかし、実は銀行側としては法規制による総量規制に関しては反対する立場をとっているのです。

貸金業法の総量規制によって違法な高金利となるヤミ金融から借り入れする消費者が増加したこともあり、銀行融資も規制対象になるとさらにヤミ金融に流れることが懸念されるからです。

ただ銀行カードローンの審査にも問題があることも指摘されています。

銀行カードローン審査の実態

銀行カードローンの審査

詳細な銀行カードローンの実態は金融庁の検査結果を待つ必要がありますが、消費者金融業界の貸付残高よりも銀行カードローンの残高が上回っているという事実があります。

この理由は明らかで貸金業者が総量規制を受けたことと密接に関係があり、貸金業者から借り入れができない消費者の多くが銀行カードローンを受け皿としたためです。

銀行カードローンの融資審査は貸金業者よりも厳しいというイメージがありますが、銀行カードローンのほとんどは、同じ金融グループや銀行子会社の保証会社付きのカードローンです。

つまり実質的に融資審査をするのは保証会社の貸金業者で、しかも総量規制がないため総量規制前の審査基準となっています。

これでは貸金業法の総量規制が目標とした多重債務者の発生防止などが、意味をなしていないというのが実態でした。

それが2017年4月の自主規制から大きく審査基準が変わっています。

法規制はありませんが、今まで総量規制がないという理由で銀行カードローンを利用していた人も、これまで通りのの借り入れはできなくなっています。

銀行カードローンの総量規制は法制化されるのか?

カードローンの法規制 銀行カードローンが貸金業法と同じ総量規制の法的な規制を受けるかどうかは、銀行カードローンの実態調査の結果によります。

調査結果によっては問題があれば業務改善命令などもあると金融庁が明言しています。

業務改善命令を受ける銀行が多ければ、法的な規制も考えられますが、それには時間がかかるでしょう。

しかし、銀行側も自主規制を徹底すれば、法規制がなくても実質的には審査基準が、今までよりも厳しくなるのは事実です。

つまり銀行カードローンの審査基準が厳しくなることはあっても、審査基準が低くなることはないという流れです。

ただし、年収の1/3という貸付規制には貸金業法でも例外規定が多くあり、

  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 事業者ローン
  • クレジットカードのショッピング枠

などは総量規制の対象外となるため年収の3分の1以上の貸付は可能となります。

生活に必要な資金は年収の1/3の範囲でも充分まかなえるので、自主規制後も金利が低い銀行ローンの利用価値はあります。
<まとめ>
カードローンの規制についてはおわかりいただけたでしょうか?

7年前となる2010年の改正貸金業法による総量規制以来残高が急増した銀行カードローンですが、これからは急激な伸びはなくなるでしょう。

利用する側も規制がないという理由ではなく、金利やサービスでカードローンを選ぶ時代になりそうです。

銀行カードローンだけではなくクレジットカード現金化も急増

クレジットカード現金化も急増

総量規制が開始され銀行のカードローンを利用される方が急増しましたが、銀行と同じように総量規制の対象外となるクレジットカードのショッピング枠を利用した現金化も増加しました。

クレジットカードでお金を借りることができるキャッシングは貸金業法となりますが、ショッピング枠は異なった法律となる割賦販売法によって規制されます。

したがって総量規制の上限となる年収の3分の1まで借り入れ総額が達していてもショッピング枠を現金化することは可能なのです。

そのため総量規制の施行前後から現金化業者が急増したのですが、以前からあるカードでお金の看板での店舗で行うショッピング枠現金化ではなくインターネットで完結できるキャッシュバック方式の現金化業者が増加しました。

結局のところクレジットカードのショッピング枠現金化はクレジットカードで買い物をし現金を手に入れる方法であり、現金化することによって債務は増えることになります。

つまりお金を借りて金利を付けて返済するのと同じような方法となり、社会問題とまでなったのです。

実際、もともと貸金業を営んでいたところが総量規制の影響で金融業を続けられなくなり、クレジットカード現金化の業者となったところも少なくありません。

その後、クレジットカード現金化を規制するための法整備も行われる噂はありましたが、現在でも法改正はなく銀行カードローンと同様に利用され続けています。

今後は銀行カードローンだけではなくクレジットカード現金化も厳しくなっていくのでしょうか?

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